手術当日③
気がつくと病室のベットに寝ていた。
まだ麻酔が抜けないのか、目がうまく開かない。
ぼんやりと目を開けると先ほどの看護師さん達が気付いてくれて、
「終わりましたよ〜。何かあったらこれ押してくださいね」
とナースコールを右手に握らせてくれた。
酸素マスクを付けて、
左腕は点滴が付いたままだった。
まだ麻酔が抜けずに頭がボーっとしていたので少し寝ようと思い、目を瞑った。
しばらくして目を開けると、
隣に彼がいた。
私「いま何時?」
彼「11時半くらいだよ」
まだ30分しか経ってないのか…
早いなと思いながら、さっき起きた時よりも頭のボーっとした感じがなくなっていた。
お腹がチクチクと痛んだ。
腰も重い鈍痛があった。
仰向けがツラくて横を向くと、彼が手を握ってくれた。
こんなことになった原因の人物とはいえ、隣で手を握ってくれることは有り難かったし安心できた。
もう少し寝たいなと思って目を瞑るが、寝れない。
しばらくして看護師さんが酸素マスクを外してくれた。
寝れないけど起き上がることもできず、目を閉じたままただずっと彼の手を握っていた。
寝ながら体勢を変えると、生理の時のようなドバッと血が出た感覚がした。
手術の様子が麻酔でまったく分からなかったし、病院側から事前にどのように手術するのかの説明もなかったので(こちらが聞かなかったから?)一体自分の身体はどうなってしまったのか…
麻酔の抜けないふわふわとした感覚の中、不安だった。
しばらくして、看護師さんが点滴を外してくれて両手自由に動けるようになってラクだった。
そこからまたしばらく横になったままでいたが、だんだん麻酔も抜けてきたので上半身を起こしてみる。
特に貧血や気持ち悪さなどはなかった。
手術着を脱いで、着てきたワンピースに着替えた。
この後、産婦人科で診察をつけることになっていたので移動することにした。
ナースコールを押して、看護師さんにきてもらいカルテを受取り、お礼を言って手術センターを離れた。
1時間くらい寝ていたと思う。